監督より
『ねむれ思い子 空のしとねに』は7年の歳月をかけ、ほぼ一人で作画を行った50分の3DCGアニメです。完成後のビジョンなど一切無く、ただこの作品の力だけを信じて作り続けた孤独な日々。それが完成間際になり不思議な縁が繋がり、広がり、素晴らしい音楽と、素晴らしい演技と、素晴らしい音響を得て、素晴らしい作品へと仕上がりました。ひとりぼっちで始まった「私の作品」は多くのスタッフの想いがこもって、「私たちの作品」として産まれたのです。そして石ノ森漫画館での初上映以来、カナダ、イスラエル、ロサンゼルス、ドイツと海外での上映も広がり、思いもよらなかった人達の心に届いています。
この作品が、皆さんの心にも届いてくれます様に。
<2025年リバイバル上映に際して>
本作品を完成させたのは2014年でもう十年も前になります。7年以上をかけて独力で制作したというだけで、これにまつわる苦労は枚挙にいとまがありませんが、数々の幸運で多くの方にご覧いただけたものの、まだこの作品を気に入ってくださるであろう多くの方に届いていないのではないかという気持ちもどこかにあり、また何よりこんなちっぽけな個人制作に誠心誠意ご協力いただいた方々に十分なご恩返しができていないという思いも強く、「苦労が報われた」と言い切れない所がありました。
そんな中、今回新作短編と共に劇場でリバイバル上映の機会をいただくこととなり、それならばと音響を5.1chにアップミックス、映像も当時の機材の限界で720p制作だった所を、最新技術を使ってフルHDまでアップスケールいたしました。初見の方はもちろん、前回劇場でご覧いただいた方やレンタルDVDで気に入ってくださった方にも楽しんでいただけるクオリティになったと思いますので、是非お友達をお誘いの上、劇場でご覧いただければとても嬉しいです。